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2023年04月26日

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【Vieurekaパートナーインタビュー】第4回 株式会社ウィジェット様 

株式会社ウィジェット

Vieurekaパートナー企業の方々にインタビューを行い、Vieurekaの使い勝手や活用した取り組み、そして実際の苦労話などを本音ベースで余すところなくお届けするシリーズ企画です。
 今回は、Vieurekaパートナーとして今までご紹介させて頂いたパートナー様と違う視点から独自の取り組みを行いサービスの提供を目指されているウィジェット様です。前回ご紹介したアプリズム様と親交があり同じ大阪に本社を構えていらっしゃいます。代表取締役の石田様、システム開発部GMの居軒様に会社の成り立ちから今後の展開までお話を伺ってきました。ではインタビューをご覧ください。

【Vieurekaパートナーインタビュー】第4回 株式会社ウィジェット様
ウィジェットの皆様 
左から 営業部:西尾氏、代表取締役:石田 誠氏、システム開発部GM:居軒 大助氏、営業部:柴田氏

今までの経歴を教えていただけますか?

石田:ウィジェットを立ち上げる前に2社経験しました。1社目がソフトウェア開発の請負会社で、2社目が大型スキャナーメーカーでした。主に金融機関に大型スキャナーを組み合わせたバックオフィス系システムの営業を行っていました。開発部門のリソースが不足していたので、受注後、上流工程からPM(プロジェクマネージャ)、PL(プロジェクトリーダー)として、担当したこともありました。

今までのキャリアのメインは営業でしょうか?

石田:1社目でトータル12年の在籍で、営業とエンジニアを各6年していました。入社1年目は営業でしたが、技術知識が必要と感じてエンジニアの部門に異動し、某鉄道会社のシステム開発を担当しました。その後、営業に戻ったという感じですね。その当時の開発は、残業が当たり前だったので遅い時間まで残業していましたね。(笑)

 その後、会社の業績不振もあり営業とエンジニアの知識を活かせる環境がないか探していたところ、8年間お世話になる2社目の会社に入ることになりました。主に金融機関向けに税公金、手形交換、口座振替書、届出書、住所変更書など、バックオフィス系のシステム営業を北は青森から南は鹿児島まで地方銀行を中心にメガバンク、信用金庫にも提案しておりました。当時、金融機関のご担当者様とは、約1,000名以上の方とお会いしました。起業してからも繋がりを持っている方も多くいます。IT業界の経験は、営業、技術を10年ずつトータル20年の経験があります。

営業から技術に職種転換された際は、どのように学ばれたのでしょうか?

石田:社内研修でC言語を使った課題を他の受講者よりも早く仕上げました。父が経営しているシステム開発会社で、COBOLの開発経験がありました。この経験が、技術者として早く技術を吸収できた理由かもしれないですね。

起業のきっかけは何ですか?

石田:自分のやってみたいことが組織の壁や上司の同意が得られないことがあり、考えるようになりました。また1社目の会社が倒産し、そこを辞める社員が何人かいたタイミングが後押しになりましたね。金融システムの営業やエンジニアの経験を自身の事業で活かしたいという思いがありました。

会社はいつから軌道にのったのでしょうか?

石田:軌道にのったというより、まだまだと思う方が強いですよ。どの社長もそう思っている方が多いと思いますよ。ただ、年々いろんなことができるようになったと実感していますね。

会社設立は2015年とのことですがはじめは社員何名からスタートされたのですか?

石田:1人ですよ。(笑)最初は1人で、2年目から8人になりました。

当初1人のときはどのように運営されていたのですか?

石田:久しぶりに開発したいと思いシステム開発していましたね。開発と並行しながら、人材採用、従業員の給与計算、社会保険、入出金など、様々な諸務を一人で回していたのでかなり一年目は大変でしたね。

今では社員の方も増え多岐にわたって業務されていると思いますが、改めて会社の概要を教えていただけますか?

石田:創業当社から、ソフトウェア、ハードウェアを問わず開発をしています。ソフトウェアはAndroidアプリ、クラウド、Webシステム、クラサバ(クライアントサーバシステム)、自社のパッケージ開発など多岐にわたります。ハードウェアは、FA、装置などの制御系システム開発から、構想設計、機械設計、電気設計。また、組込系では、ソフトウェアからアナログ、デジタル回路設計など開発しております。当社は、モノづくり企業を目指しているので、ソフト・ハードという垣根なく実施できています。

社員は何名いますか?

石田:今は46名です。そのうち技術者が41名、協力会社さん含め80~90名くらいになります。

メンバーの年齢構成を教えてください。

石田:結構満遍なく20代から50代になります。
居軒:そうですね、50歳オーバーのベテランさんは多くの経験を積まれているので助かっています。
石田:PMは、多くの経験が重要になるのでやっぱりベテランの方が多いですね。こちらとしても安心して任せられますからね。年齢層も偏りがあるよりかは満遍なくいるほうがいいです。その中でもある程度任せられる方がいると安心しますね。

社員の方のスキルアップはどのようにされていますか?

居軒:開発経験を積んでいるメンバーが多いので、分野問わず何をすべきか試行錯誤しながら、いろんな経験を積んでもらっています。座学研修で教科書から学ぶこともありますが、開発プロジェクトに入ると応用部分が多いので、実際は苦労する部分がありますからね。中堅社員は、自らそういった環境でどうやりきるかが課題になっています。それに対してはチームで課題を解決していく、まだまだ社員数が少ないので難しい部分がありますが、一人で抱え込むよりもチームで実施することを心がけています。チームで実施することで精神的にも楽になるという声もメンバーから上がって来ています。

貴社の提供されている主なサービスはどのようなものでしょうか?

石田:ソフトウェアやハードウェア、AIによる開発支援です。新規テーマは、画像認識技術を活用したAI開発、展示会で出展したスマート養殖(陸上養殖)のパッケージ化です。その他は、Raspberry Pi、Arduinoなどを使った試作機開発から量産機開発など、特に一品物を開発することも行っています。たとえば、オゾン洗浄機開発のご相談でした。オゾンは微生物を死滅させるため、コロナ禍もあり短期間で試作機を開発する必要がありました。Androidアプリ開発、通信モジュールとしてのRaspberry Pi、オゾン洗浄機の制御のため、アナログ回路を同時並行で開発するようなオーダーでした。

貴社の強みはどのような部分でしょうか?

石田:対応範囲が幅広く専門性も深いエンジニアに強みがあります。この規模でソフトウェア、ハードウェア、AIもできる試作から量産まで対応できる企業はそんなに多くはないかと思いますよ。
居敷:専門性のある技術会社と連携することを積極的に取り組んでいます。社外のあらゆるリソースを活用しています。
石田:当社にない技術やノウハウを提供してもらうことは多くあります。

銀行業界には、どのようなシステムを提供されているのですか?

石田:主にバックオフィス系のシステムを提供しています。“どのような仕様ですか?”とヒアリングしても、”わからない”という回答をいただくお客さんもおられます。このような状況でもシステム開発をしていかなくてはならないので、どのような運用をしているのかヒアリングをし、既存ベンダーが作った設計書を分析してシステムに落とし込んでいきます。既存ベンダーの設計書通りにシステムを作っても、仕様と異なっていたこともありました。

なぜ、銀行システムの仕様がバラバラなのでしょうか?  

石田:基本的な考え方は同じですが、外部に送信するデータや行内の運用等の細かい部分が異なっています。そのような部分はカスタマイズが必要です。私自身もかなりの数の銀行システムのコンサルや設計を行っておりましたが、詳細はヒアリングしながら紐解いていかないとわからないです。既存ベンダーの設計書に誤りがありユーザー側がシステムを正しく把握していないときは、どのように開発をすすめるかは悩みますね。状況によってはプロジェクトを一度止めて、ユーザー側に立って調査するということもありました。たくさんの経験をしましたが、最終的には納品後して満足いただいているユーザーが多いと思います。

スマート養殖システムの開発するきっかけは何ですか?

石田:ある協力会社の社長の元同僚が、陸上養殖に取り組む予定があるのでちょっと話を聞いてほしいとお話をいただいたのがきっかけです。最初は、デモ用の水質モニタリングシステムからスタートしました。次のステップの提案やAIを使ったデモとして、エビや魚などをAIで画像解析し、個体の数量やサイズを自動的に集計したらどうですか?と言ったお話をしたところ、おもしろそうなので是非やってみようとなりトントン拍子で話が進んだ感じですね。水質センサーや画像などを解析し、なるべく自動化しようといったコンセプトで進めました。

スマート養殖システム
スマート養殖システム

その後陸上養殖向けに本腰を入れて取り組んだ理由は何ですか?

石田:まだ、他社が取り組んでなかったのが理由ですね。最初は、海上養殖の情報を取り込み“こんな感じでできるのでは?”と提案して広げていきました。陸上養殖にAIを活用するベンダーもいなかったので、お客様に受け入れていただきました。大手のシステムベンダーと比べ1/4程度で実施できますよと提案しました。最終的には、運用しながらシステム変更をした影響があり1/2くらいの費用はかかりましたが、良いシステムができたと思います。

Vieurekaに対して期待やご要望はありますか?

石田:スマート養殖システムではVRK-C301を活用しましたが、ターゲットによってはカメラの性能の上限で分析がどうしても難しかったので、Vieureka対応のハードウェアが増えていくと伺っているので期待しています。

今後パートナーを検討されている方へのアドバイスはありますか?

石田:Vieurekaプラットフォームには、開発環境やサンプルアプリなどが充実しているSDKが活用できるので、AIにとっつきやすいと思います。まずは、Vieurekaを活用してものづくりに取り組んでほしいです。

今後の貴社の展望があれば教えてください。

石田:創業当初から掲げているのですが、いろいろな開発テーマを通じてオリジナルのサービスや製品を開発する会社にしたいです。そのためには、他社が取り組んでいないテーマをどんどん取り組みたいと思っています。