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2023年09月21日

  • コラム

製造業におけるIoT導入のメリット・活用方法は?生産現場での活用事例をご紹介

製造業におけるIoT導入のメリット・活用方法は?生産現場での活用事例をご紹介

労働力不足や技術者の減少などの課題を抱える製造業では、業務効率化や生産性向上などを目的としてIoTの導入が進んでいます。

しかし、「IoT導入で何ができるようになるのか」「実際の現場ではどのようにIoTが活用されているのか」と思われている方も少なくありません。そこで今回は、製造業におけるIoT 導入のメリットや活用方法と併せて、実際の現場での活用事例をご紹介します。

製造業でも導入が進む“IoT”とは?


「IoT(アイオーティー/Internet of Things)」とは「モノのインターネット」を意味する言葉。もう少し分かりやすく説明すると、“モノ”同士をネットワークで接続する仕組みのことを指します。

このIoTの仕組みを利用すれば、通信機能が搭載されたカメラやスピーカーなどの端末をインターネット経由で繋ぐことにより、モノの状態を把握したり遠隔操作をしたりといったことが可能となるため、近年では、カメラを通してスマートフォンで自宅のペットの様子を確認したり、スマートスピーカーを利用してエアコンの温度調整を行ったりするなど、既に私たちの身の回りにおいても、様々なシーンで活用が始まっています。

このように、IoTの技術は私たちの身の回りを便利にするだけでなく、工場や倉庫などでの検品作業や機器の制御、店舗や商業施設におけるマーケティングリサーチなど、ビジネスにおいても既に幅広い分野での導入が進んでいます。

関連記事:「IoTとは具体的に何?活用例を交えてわかりやすく解説!

何ができる?製造業におけるIoT導入のメリット

何ができる?製造業におけるIoT導入のメリット

製造業がIoTを導入することで、具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか?
ここからは製造業におけるIoT導入のメリットとは何なのか、ヒト・製造物・在庫・備品・機械というカテゴリーに分けて、それぞれ解説していきます。

製造業でIoTを導入するメリット:「ヒト」

生産現場にIoTを導入することによって、“ヒト”に関する課題の解決にも繋がります。

例えば、AIカメラで従業員の動線や作業内容を分析して最適化すれば、業務の効率化だけでなく、工場内・倉庫内での怪我や事故の防止に役立てることができます。また顔認証や入館証の自動検出などのIoT技術を取り入れることで、入退室管理が自動化できるため、業務効率化のほか人件費の削減などの効果も期待できます。

さらに、近年の労働人口の減少や熟練技術者の高齢化などによって課題となっている技術伝承問題にも、IoTの技術が有効です。例えば、熟練技術者の手や視線の細かな動きをIoTによって分析してデータ化することで、従来であれば言葉や文字で伝えるのが難しかった技術を後世に伝えていくことも可能となるなど、IoTは“ヒト”に関する様々な課題を解決に導いてくれます。

製造業でIoTを導入するメリット:「製品」

製造業でIoTを導入するメリットには、製品品質が安定するというものもあります。
例えば、生産ラインにAIカメラを取り入れて製品のデータを学習させることで、規定から外れた不良品を自動的に仕分けることができます。

また、パッケージに汚れや異物の付着が無いかなどもAIが判別してくれるため、検品作業の自動化が可能。検品作業を人が目視で行う場合は、担当者のスキルや体調などによって判断基準にムラが出てしまうことがありますが、AIであれば常に一定の基準で処理していくため、製品の品質が安定するというものIoT導入のメリットの一つとなります。

製造業でIoTを導入するメリット:「在庫」

製造業においては在庫管理も課題の一つとなっていますが、IoTを導入することで、生産管理が自動化できるというメリットもあります。

例えば、製品の原材料や完成品を管理する際にRFID(情報が書き込まれたICタグ)やバーコードなどを利用すれば、AIが自動的にそれらを読み取り、保管場所と数量を管理してくれるため、棚卸や受発注作業を自動化することができます。

また、年間の売上変化や季節・天気などのデータを総合的にAIで分析して需要予測を立てておけば、あらかじめ生産量の調整を行うことができ、過剰在庫を抱えるリスクを軽減するなど、製造業における生産管理の効率化が実現します。

製造業でIoTを導入するメリット:備品

先程、生産管理の自動化についてお話しましたが、管理できるのは在庫だけではありません。製造業に限らず、生産活動を行うためには、その作業に関わる備品類の管理も必要です。

IoTの仕組みを取り入れれば、備品の数量が管理できるだけでなく、過去データから補充のタイミングを予測したり、無駄な備品を省いて最適化したりすることも可能。製造業だけでなく幅広い分野の企業で備品管理が自動化できるため、コスト削減や業務効率化に有効です。

製造業でIoTを導入するメリット:機械

製造業へのIoT導入には、工場の設備や機器などを自動で管理できるというメリットもあります。

IoT技術を活かせば、温度や湿度、作動音や振動などのデータが自動的に取得できるため、メンテナンスが必要な機器や設備の状態を自動管理できるだけでなく、エラーや機器の故障などによる事故やラインの停止などのトラブルを未然に防ぐことも可能です。

また“機械”というカテゴリーから見ると、近年のFA(ファクトリーオートメーション)にも代表されるように、製造ロボットや配送ロボットを利用して生産現場を自動化することで、安定した品質で製造を行うことができるほか、業務をロボットに置き換えることで、労働力不足の解消にも繋げることができます。

製造業におけるIoTの活用事例

労働力不足という課題から積極的にIoTの導入を進めている製造業ですが、実際の現場では、どのような部分にIoTの技術が取り入れられているのでしょうか?

ここからは、私たちVieureka(ビューレカ)が提供するAIカメラ「Vieurekaカメラ」を活用した事例についてご紹介します。

製造業におけるIoT活用事例①:入退室管理

製造業におけるIoT活用事例①:入退室管理

衛生管理が義務化されている食品工場では、「いつ・どこの部屋に・だれが入ったのか」などの詳細な管理が必要となります。

しかし、IoT技術を使って顔認証による入退室管理を行うとしても、帽子やマスク、ゴーグルを付けたまま作業する従業員は入退室を行うたびにマスクやゴーグルを外さなければいけなかったり、また、ICカードの場合でも入館証を手でかざす必要があるため衛生面での懸念が残ったりと、入退室管理には課題が多く残されていました。

それを解決したのが、「Vieurekaカメラ」を活用したビーコア株式会社様の入退室管理システムです。

この入退室管理システムでは、カラービット入館証の検出からクラウドへのデータ送信までの全てをAIカメラが自動で処理するため、入館証を手でかざしたり入退室の度に帽子やマスクを外したりといった必要がなく、ハンズフリーで出入り口を通過することが可能になります。

ハンズフリーを実現したことで、入退室管理の煩雑さを大幅に軽減することができ、現在では、食品工場だけでなく幅広い業種で入退室管理を効率化させています。

ビーコア株式会社様の事例詳細はこちら

製造業におけるIoT活用事例②:不良品検知

製造業におけるIoT活用事例②:不良品検知

こちらは、株式会社KYOSO様とトーア紡マテリアル株式会社四日市工場様の研究開発の一環で、不織布製造における表面の汚れや異色繊維の飛び込み検知にIoTの技術が活用された事例です。

もともと作業員が目視で行っていた作業の効率化を目的として、AIカメラで不織布の不良品検知が可能かを検証。数値で示された検品状況をリアルタイムで確認できるだけでなく、異常を検知した際に通知が送られるように設定されています。

株式会社KYOSO様の事例詳細はこちら

製造業におけるIoT活用事例③:害虫検知

製造業におけるIoT活用事例③:害虫駆除

工場や倉庫などの施設では、ネズミ対策として粘着トラップを床や天井裏などに設置、その後、捕獲の有無によってねずみの定着・侵入を把握するのが一般的です。

しかし、警戒心の強いネズミは人間側が設置したトラップを避けてしまうことがあるため、「捕獲がなかった=ネズミは生息していない」とは言えず、その対策にかける時間と労力が負担となっていました。そんな害虫駆除の業務を効率化したのが、IoTの技術を活用したネズミ検知システムです。

このネズミ検知システムでは、AIカメラによってネズミを遠隔監視し、クラウドに解析データを集約することで、ネズミの出現データを可視化。ネズミの出現頻度が高い現場や出現時間を割り出すことができるため、効果的な対策が可能となります。

AIの高精度な解析技術によって、従来のモニタリングにかかっていた労力を大幅に削減することができるため、各企業の害虫対策に一役買っています。

環境機器株式会社様のねずみ検知システム詳細はこちら

AIカメラの導入ならパナソニック発のVieurekaにご相談を!

パナソニックの研究開発部門から発足した私たちVieureka(ビューレカ)は、「世界の今をデータ化する新たな社会インフラを創造」をミッションに掲げ、開発・導入・運用などのハードルを下げるプラットフォームを提供しています。

高性能なCPUを内蔵したエッジデバイス「Vieurekaカメラ」をはじめ、これまで取得できなかった情報をデータ化して活用する「Vieurekaプラットフォーム」や顧客行動や商品の陳列状況をデータ化する「来客分析サービス」など、お客様のご要望に沿った導入のご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。